第99回二科展 開催 (2014年9月3日〜15日)
二科99回展によせて :田中 良 理事長(二科ニュースNo.66より)
先ず豪雨による水害等に遭遇された支部の皆様に、心からお見舞申し上げます。幸い東京は天候にも恵まれ、十万人近い入場者で大盛会でした。
東郷青児先生の絵画・彫刻も特別陳列され、本展に大きな華を添えていただきました。
また会場全体の展示も関係者の努力で、ギャラリートークとの関連もあり、工夫され鑑賞者からも好評でした。
災害地救済のチャリティー展も四部会員のご協力で作品数も増えました。有難うございました。
宮城県の子供達の作品も派遣理事の指導で、飾れたことも大変よかったです。
来年百周年記念展に向けての準備に遺漏なきよう只今から心して始めましょう。
最後に、陰に陽に会を支えている事務局、それぞれの担当者に感謝致します。
※二科ニュースNo.66をご覧になるには ■広報誌:二科ニュース■のページへ
|第99回二科展 報告|EVENT MEMO
9月3日:第99回二科展 オープニングセレモニー
テープカット:写真左から
公益社団法人二科会彫刻部代表 常務理事 菅原二郎
NHK厚生文化事業団理事長 浅谷友一郎 氏
公益社団法人二科会理事長 田中 良
国立新美術館 副館長 南 雄介 氏
一般社団法人二科会デザイン部理事長 今村昭秀
一般社団法人二科会写真部理事 角尾栄治
9月3日:授賞式 国立新美術館 講堂|懇親会 リッツカールトンホテル
第99回二科展 総評(絵画部・彫刻部)
「若手の台頭を感じる99回展」黒川彰夫(絵画部)
来年は、いよいよ100回展を迎えることとなりました。公募団体の草分けとして、官展から独立したのが二科会で、今日までの間日本の洋画壇の歴史を築いてきた多くの注目作家を輩出してきた事は二科会の大な誇りであります。
そんな中、99回展は多くの入場者を迎え華やかに開催されました。会場に入ると、なにか気持ちの良い清涼感を感じました。この事は、会員作家の作品に大作が多く見られた事、2階、3階の二段がけ作品を部屋の中心に展示し空間を持たせた事、全体の色調が少し明るくなった事から来るものではないかと思いました。会員作家の大作志向は、100回展へ向けての静かな意気込みを強く感じました。
審査にあたっては、昨年同様2点入選を出来るだけ出す事、アンダー35の作品充実を目標に進められました。
▲U35奨励室 今回は、一般出品者の中に、優れた見るべき作品が多くあり、二科賞、パリ賞、損保ジャパン日本興亜美術財団賞、上野の森美術館奨励賞の大きな賞が全てここから出た事、そして、その中の2つの賞は、昨年同様にアンダー35からでありました。
今回は、一般出品者の中に、優れた見るべき作品が多くあり、二科賞、パリ賞、損保ジャパン日本興亜美術財団賞、上野の森美術館奨励賞の大きな賞が全てここから出た事、そして、その中の2つの賞は、昨年同様にアンダー35からでありました。
特に最近、アンダー35の出品者が、徐々にではありますが増えて来ている事は、二科会を含めた公募団体に於ける悩みの一つである高齢化現象の歯止めになるのではないかと期待出来るところであります。この事は、早くから本会が取り組んできた若い作家に対しての対策が、徐々にではありますが浸透してきた結果ではないかと思います。
会友作家については、前述から受ける印象は、力作が少なかった様に思いがちですが、2点入選も多く、昨年よりも会員推挙も増し、充実した作品が見られた事は事実であります。
若手作家、会友の中堅作家のガンバリは100回展以降の展望が少し開けてきた感があり、大変頼もしい印象を感じました。
「信念をつらぬく制作姿勢」登坂秀雄(彫刻部)
第99回二科展が9月3日から15日に亘り、国立新美術館において例年通り開催されました。一般の出品状況は近年下降線を辿り、運営に携る会員の間には危機意識があります。が、会友・会員の出品意識は高く、彫刻会場の印象は、活気に満ちた雰囲気を醸し出し、多くの鑑賞者に楽しい時を持っていただいたと思います。
来年の100回展に向けて、彫刻展示室の100㎡を拠出し、昨年は岡本太郎特別展示、本年は東郷青児特別展示を行いました。
東郷青児特別展示には、パリでキューヴィズムの影響を間近に受けた作品も展示され、二科の百年と重なり、考え深いものが有りました。二つのブロンズ彫刻も中心に設置され、最晩年に近い作品でありますが、構成力、力感、デテールに至るまで、表現意欲の高さ、制作姿勢に感服せられました。
キューヴィズムとロシア構成主義、イタリア未来派など二十世紀初頭の芸術運動の影響は、二科会彫刻部の歴史と、現在の出品作品の素材と表現の多様性にも現われ、時間軸と折り重なって進行して来た様に感じられます。
二科の多様な表現の個々の作品を活かすべく、本年の展示企画委員会も作家の固定位置を決めず、各展示室のテーマを決めて、全体展示に有機的導線を作ることをモットーに展示を試みました。
彫刻会場を見渡すと例年も感ずることではありますが、素材、具象・抽象を問わず泥臭くも信念を貫く制作姿勢が見られる作品があり感動を覚えます。
近年、公募展として審査の難しい作品も増えてきました。表現の自由と二科会の理念を照らし考慮することは、彫刻部会員の使命であります。100回展の節目を二科会彫刻部の今後の動向を決定する時期として捉え、この大きな課題に取り組むことが必須のことと思います。
事務局だより
「2015年、二科展は100回展を迎えます」と表記されたポスターの如く、いよいよ、その年を迎えようとしております。戦争をはさんだ二科70年、そして、その後の現在に至る30年。歴史は日々更新です。
会場を国立新美術館に移してのここ数年は、改革改善を積み重ね、開かれた二科会としての一頁を紡いでいるような気が致します。
第99回二科展の入場者数・搬入点数等は下記の表の通りです。今年は美術館の企画展示に合わせて、ナイトミュージアムが金曜・土曜の両日に開催された事に加え、メトロでの販売を止めた為か、有料入場者数がかなり増加となりました。
また、会期中の4部門会議(9月10日)では次のような事が決まりました。来年の100回記念二科展には二科会の趣旨を改めて確認し、二科展の共通の理念を掲げると共に、展示会場2階の休憩室を使用して4部門によるコラボレーション展示を予定しています。第1回目は『あそび』がテーマです。制作費等の費用については基本的に個人負担となりますが、参加して戴ける会員の先生は各部の事務局迄ご連絡下さい。
また、来年は出品規約では改訂が実施されます。会員の出品作品の号数無制限条項が、壁長350cm以内に変更され、出品者の「未発表作品」の定義も明確になりました。出品規約の熟読を宜しくお願い致します。
さて、丸々1年をかけて取り組んで参りました、歴代の会員・会友の名簿や受賞者記録、二科展出品者の目録や名簿等のデータ化作業もほぼ完了し、色々なお問い合わせにも迅速に対応できるようになって参りました。これも大事に保存していた資料をお寄せ下さいました先生方や、綿密な資料整理作業に従事してくれたスタッフのお陰と感謝しております。本当に有難うございました。
4つの部門の多くの人が関わり合って、歴史ある展覧会を開催するのですから、意思の疎通を大切に、事故がなく無事に歴史的瞬間を迎えられますよう、田中理事長のご指導のもと努力して参りたいと思っております。これからもお力添え、宜しくお願いいたします。
事務局長 塙 珠世
September 2014
▲オープニングセレモニー テープカット
▲ギャラリートーク:絵画
▲絵画部作品鑑賞会
▲ギャラリートーク:彫刻
▲ギャラリートーク:東郷青児 作品特別展示
▲東郷青児作品「日蝕」第61回二科展出品作品
9月12日:ミニコンサート
▲ミニコンサート(KUKKA:クッカ)
〈 チャリティー報告 〉
絵画、彫刻、デザイン、写真、4部門の協力のもと、提供された作品の並ぶチャリティーコーナーは、来場の方々にもおなじみとなり、今年も収益の全額を寄付いたしました。
二科会として、今後も支援活動を息長く続けたいと思います。作品を提供して頂いた先生方をはじめ、ご支援頂いた皆様に、心より感謝いたします。
被災地児童支援 絵画教室 活動報告
東日本大震災から3年余りが経過した。4回目の被災地児童支援絵画教室を昨年までの福島から宮城へと移し、東松島市立鳴瀬桜華小学校で開催した。
100年以上の歴史ある二校が統合、開校2年目を迎えた新しい学校である。
6年生55名に、未来の夢の街をテーマに各自コメントをつけて描いてもらい、その絵をヒントに校歌の歌詞にある春夏秋冬をも加味して、題材を「宮城の四季・絆」とし、制作の指導内容を決めた。
まず導入の手始めに、校歌を斉唱してもらった。
子ども達は、みんなで歌った校歌の高揚、盛り上がりを、そのまま絵にしはじめた。「満開の桜」「花火」「紅葉とトンボ」「雪化粧」など、制作進行中の子ども達は、創作力の豊かさ、感性の素晴らしさを遺憾なく発揮した。
そして完成時、子ども達の充実感と達成感が伝わって来るのを感じた。
9万人を超えた99回展の観客にも、子ども達のコメント共々、大きな感銘を与えられたと思う。
制作記録小冊子を作成し、児童全員に記念品として進呈した。
(川内 悟)
第99回二科展 被災地児童作品特別展示|宮城の四季・絆|小冊子
◁詳細は、第99回二科展 被災地児童作品特別展示 小冊子をご覧ください。(左画面、または下の■表示■をクリック)
■表 示■
▶ 帝国ホテル NIKA ART SPOT「S20特別賞」作品展示
帝国ホテル NIKA ART SPOT「S20特別賞」作品展示
帝国ホテル 東京 本館「NIKA ART SPOT」において「S20特別賞」作品を展示いたします。
2024春季二科展「NIKA+nika/S20号」コンクールにて「S20特別賞」を受賞された4名の
作品を前期と後期に分けて1年間展示いたします。
ご高覧頂きたくご案内申し上げます。
■会期:前期=令和6年5月10日(金)〜令和6年11月12日(火)
後期=令和6年11月12日(火)〜令和7年5月9日(火)
■場所:帝国ホテル 東京 本館 中2階「NIKA ART SPOT」
住所:東京都千代田区内幸町1-1-1
■主催:公益社団法人 二科会
■S20特別賞受賞作家
前期:荒井洋子・出月智子
後期:近藤隆弘・番場美和子
◀帝国ホテル 地図・交通アクセス QRコード
日比谷駅:東京メトロ 日比谷線・千代田線・都営地下鉄三田線 A13出口から徒歩3分
銀座駅:東京メトロ 日比谷線・丸の内線銀座線C1出口から徒歩5分
有楽町駅:東京メトロ 有楽町線徒歩7分
JR有楽町駅:山手線、京浜東北線 徒歩5分
▶「 2024 春季二科展 」2024 SPRING NIKA ART EXHIBITION[終了]
「 2024 春季二科展 」2024 SPRING NIKA ART EXHIBITION[終了]
会 期:4月18日(木)〜5月2日(木)
9:30~17:30(入場は17:00まで)
最終日は14:30 終了(入場は14:00まで)
会 場:東京都美術館 1階 第1・第2・第3展示室
東京都台東区上野公園8-36(上野公園内)
▶春季展 授賞式:4月18日(木) 午後1時より 場所:1階2室
▶絵画部ギャラリートーク:4月18日(木) 授賞式終了後 開催
▶ 帝国ホテル 二科サロン 第106回二科展 受賞者小品展(第四期)終了
帝国ホテル 二科サロン 第106回二科展 受賞者小品展(第四期) 開催
帝国ホテル二科サロンにおいて第106回二科展受賞者から選抜された
12名による小品展(第四期)を開催いたします。
・会期=2023年10月3日(火)〜2024年1月9日(火)
(初日:午後3時より 最終日:午後1時まで)
・会場=帝国ホテル インペリアルタワー・ギャラリー(東京都千代田区内幸町1-1-1)[入場無料]
・主催=公益社団法人 二科会
●作品出品者▷徳永スエ子・芝田満江・中野紀三朗・柳澤綾子・すぎもと 和・菊島ちひろ
佐藤幸光・坪田裕香・石見香賀里・桑子純子・前川普佐雄・矢島初子