第102回 二科展 開催 (2017年9月6日〜9月18日)

第102回二科展総評田中 良 理事長

_DSC3510_260-170.jpg 複雑な空模様下に、第102回二科展が華々しく国立新美術館で開催された。
 今日の日本の美術団体展は、何れも出品者がやや減少の傾向にあるようだが、当会も例外ではなく、多少影響あったが、質が向上しているのが目立った。
 絵画、彫刻、デザイン、写真の四部とも、会員、会友の頑張り、陳列の妙を発揮されたことにより、会場の効果も良好で、一般観覧者の評価もよかった。連日奮闘された会員の皆様、事務局に深く感謝致します。
 入選作をみると、会の方針である若手の育成への努力が少しずつ効果を上げてきた。佳作が陳列出来たことが何よりも証明できる。
 出品者の勉強の場として、初日開催の作品研究会、来場者に対する啓蒙、サービスとしてのコラボ展示、金曜日のミニコンサート等々、会員が各々の分担で連日奮闘されている様に心からお礼を申し上げる。
 又被災地支援として、熊本の高校生の大壁画制作へ、九州の理事・監事・支部長、関西から宮村理事、東京から塙事務局長が応援に行き、見事な風景の大作を完成させ当展に陳列出来たことは、大きな喜びであり、観覧者にも感動を与えることが出来たと思う。
 最近の傾向として、年々外国人の来場者が多くなって来た。今後は我々の仕事が一層国際的にも大いに広がりをみせてくれることを期待したい。
 以上甚だ簡単に感想を述べたが、これは、あくまでも平和な世だから延々と続けられることであって、一度戦争が起きたなら、総てが灰になってしまうのだから、私達は常に平和の鐘を鳴らし続けなければならない。
 次回の作品と、ご健康を祈ります。

|第102回二科展 特別展示企画|

第102回二科展 コラボ展示

 今年で3 回目となる4 部門会員有志によるコラボ展示のテーマは昨年の「ネコ・イヌ」に「花」を追加して「ネコ・イヌ・花」となりました。
 二科展の名物となりつつあるコラボ展示は、色彩が華やかで賑やかな会場となりました。
 また、実験的新企画としてミニ個展を実施しました。1800㎜×900㎜の小さなスペースですが、絵画部・彫刻部・デザイン部・写真部より選抜された作家それぞれの世界が見られました。
 次回のコラボ展示のテーマは今回の「ネコ・イヌ・花」を続けたいとの意見が多数となり、第102回二科展コラボ展示テーマの継続と決まりました。

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コラボ展示「ミニ個展」に参加して 深見 まさ子(絵画部)

 今回から4部門各1名ずつのミニ個展が企画され、写真部・天内紀元、デザイン部・高橋貞二、彫刻部・島田紘一呂、絵画部からは私が参加した。
犬、猫、花のテーマの中から「花のゆくえ」というタイトルで9点出品。
 ミニ個展という事で作品構成に苦労していたところ、デザイン部の方々からてぎわのよい協力を頂き、その事がとても嬉しかった。他の部門の方々と交流できるのもコラボ展示ならではの成果と感じられ、新企画のミニ個展のコーナーが来場者と出品者を繋げる何か新しい風をひき起こすことが出来たとしたらとても嬉しい。

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▽画像Clickで拡大表示
_DSC3398_570×400.jpgコラボ展示「ミニ個展」深見まさ子(絵画部)

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|第102回二科展 絵画部・彫刻部 総評

絵画部審査について ーより良い審査を求めてー 山中宣明

 第102回二科展の絵画部審査では、別表のように会友・一般合わせ四千点近い作品を4日間かけ全会員が審査にあたりました。
 絵画部では毎年、総会日の部会において審査に関する意見交換の場を設けています。より良い審査を目指し、審査の方向性や審査規約、手順等の改善点の合意を得たうえで審査日を迎えるべく、活発かつ建設的な意見が交わされ、審査に生かされています。今年特に検討された課題や実施された改善点を挙げてみます。
①会員・会友推挙と授賞審査
 会員・会友推挙と授賞は、優劣ではなく違う観点から審査することを徹底しました。法人の構成員となる会員・会友は定款上作品の評価だけでなく、会に貢献する人格や健康も問われます。全会員より選出された推挙候補について、評議員・支部長から支部での活動状況等について寄せられた意見を基に、理事会が検討・最終承認し決定しました。また特別賞に関しては、候補作の過去の受賞歴を検証し、並べて至近距離でも熟視したうえで、各賞の趣旨にふさわしい作品を全会員の投票により決定しました。本年度より会員推挙との重賞も可としました。
②2点入選選出について
 2点入選は単に挙手数の多い作品順に選ぶのではなく、最も展示効果のある2点を検討し、慎重に選出しました。
③二次審査
 二次審査において入選した作品は、次年度への奨励の観点から80号以下の作品を選出しました。
④受賞候補の公平性
 推薦された人だけが賞候補になるのではなく、一次入選者はもれなく賞候補の是非をはかります。
⑤上限6点について
 103回より出品点数を6点までとします。出品制限が目的ではなく、密度の濃い丁寧な審査にするためです。
⑥将来性や特異な個性
 公平な作品本位の審査を旨とし、挙手制度を貫いていますが、荒削りで技術不足であっても将来性ある作品や特異な魅力ある作品も見逃さないようにしています。
⑦大臣賞等の審査
 審査5日目の大臣賞・都知事賞・会員賞審査は、理事と委嘱審査員2名により、作品討議の上、投票で決定しました。東京都職員が審査に立ち会い、終了後大変公平な審査方法である旨の評価をいただいたことを報告させていただきます。
最後に
 完全無欠な審査方法はなく、常により良い審査を求め、会員全員で改善努力をしていきたいと思います。

彫刻部 総評 島田紘一呂

 第102回二科展が9月6日から18日まで、国立新美術館において開催され、今年は9月に入ってからの開催だったので、例年よりも少し秋を感じさせるスタートとなりました。彫刻部の展示室は、評判が良かった前年度と同じようにパネルで仕切りました。作品展示は、同じ材質の作品や受賞作品などが一か所に集まらない様に配置し、毎年同じ作家の作品が、同じ場所に固定されマンネリ化しないように心掛けました。
 彫刻展示室を入場口から作品を鑑賞していきますと、第1室では空間の広がりを感じる中、若くて大いに張り切った作品が目にとまります。さらに2室、3室、4室へと進むと、二科色とも言うのであろうか穏やかな空気の中、木彫、金属、ブロンズ、石膏など様々な材質で、異なる作風の作品群が展示されています。そして、5室まで進むと広いスペースに大作がゆったりと落ち着いた空間を構成しています。
 野外展示場へと向かう途中にある休憩室は、今年で3回目を迎えたコラボ展示スペースになっています。絵画、彫刻、デザイン、写真の4部門の会員が参加の企画で、今回はネコ、イヌ、花をテーマにしています。今年から新しい企画としてミニ個展を4か所に設置するなど、毎年展示に工夫を加えています。その結果、コラボ展示は来場者に喜ばれ二科展の新たな魅力となりつつあります。
 さて、野外展示場に出ますとやはり石彫がほとんどを占めています。夜の照明で照らし出される作品、雨にぬれ、色が濃くなった石彫、太陽の下の熱い手触り等、野外には室内とは違う魅力が満ちています。
 振り返れば、重厚感はあるが少々狭かった旧東京都美術館から、開放的な、明るく広いスペースの国立新美術館に移ってきて、いかにより良い会場展示が出来るか全員で知恵を絞り、試行を繰り返し、今の展示構成にたどり着きました。他団体からも、良い展示会場だとお褒めの言葉も聞えて来る様になったのは、二科会として喜ばしい事です。

事務局だより

 第102回二科展は、搬入点数こそ減少となったが、入場者数は増加傾向であった(表1・2・3)。特に外国人の有料入場者数増加が感じられたのは近年の国策が反映されての事であろうか。二科会では外国のお客様には英語版の案内パンフレットを配布し、各階受付では英語堪能スタッフが対応している。早見表やキャプション等の英語表記までは行き届かないが、コラボ展示会場に設けられた、作品が当たる抽選箱に、外国籍らしき沢山の応募が見られたのは嬉しく思えた。抽選で漏れた方で住所記入者には記念のポストカードをプレゼントしており、住所が海外の方にも届く事を願いながらコラボスタッフがエアメールを送った。
 102回展の受賞者の中から選抜された2018春季二科展の選抜出品者は皆等しく130号迄の大作を出品出来るようになった。その年の受賞者は春季展選抜出品、帝国ホテル二科サロンの出品等、色々なチャレンジチャンスが与えられている。
 今年の巡回展7会場の内、3会場は展示に半日しか費やせないハードな日程となっている。その1会場・富山→京都展は、衆院選の投開票日をも直撃した台風21号の影響で交通網が麻痺。作品トラックを待って3時間以内での展示作業。4部門の先生方等の二科パワーで展示完了そして退館。「良い展示が出来ました」との連絡に「良かった!」の安堵感。後日「塙さんの作品大きすぎてエレベータに乗らず2人の展示業者がかついで階段を上っています」との写真付きのコメントに、その日の状況を知っている私は何とも…申し訳ない…。「巡回展作品は130号以下」の根拠を垣間見た気がした。
 東海支部の計らいで、体調を崩され、ここ七年程、二科展に出品出来ずにおられる名古屋の梅村孝之先生と田中理事長が東海展会場で再会する感動の一場面があった。お二人のさり気ない会話からこぼれ出るお話に、二科会の紡がれて来た歴史の一頁が感じられた。
 二科会の事業は春秋の二科展と地方色豊かな巡回展から成る。二科展の裾野を広げて行くのは、人と人との信頼という絆と、日々の前向きな努力の積み重ねであると感じている。
                         事務局長 塙 珠世

_DSC3503_オリジナル_加工430-220.jpg▲快晴の二科展会場 最終日(国立新美術館)

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IMG_4488_絵画部ギャラリートーク_245-150.jpg▲絵画部:ギャラリートーク
_DSC3298_245-150.jpg▲絵画部:会場風景
_DSC3309_245-150.jpg▲絵画部:会場風景
_DSC2972_245-152.jpg▲絵画部:会場風景2F入口

102彫刻部ギャラリートーク_245-140.jpg▲彫刻部:ギャラリートーク
_DSC3094_245-150.jpg▲彫刻部:会場風景
_DSC3187_245-150.jpg▲彫刻部:会場風景

チャリティー報告

寄付金総額:771,350円
収益の全額を左記の通り寄付いたしましたことをご報告し、ご協力の皆様に御礼申し上げます。
・NKH厚生文化事業団:500,000円
・熊本県立美術館:271,350円
会員絵葉書セットの絆通信を福島、熊本の被災の方々にお届けする活動も継続しました。

ミニコンサート

首都大学東京グリークラブのメンバーを中心に結成された男性合唱団によるミニコンサートが 9月15日(金)18:00~より第8室にて開演されました。

IMG_4731_ミニコンサート_222-110.jpg▲出演:アクティニア[Actinia]

二科ショップ

 作品集・絵葉書、受賞作品目録に加え、コラボ展示参加作品の目録と絵葉書を販売。
 併設チャリティーコーナーは、4部門の会員寄贈の多様な作品を展示し、多数の来場の方がお立ち寄り下さいました。

IMG_0761_二科ショップ222-140.jpg▲二科ショップ:チャリティーコーナー

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 2017年度 義援活動報告

被災地の生徒作品特別展示について

 この度の第102回二科展会場に於きまして、熊本県立熊本北高等学校の美術部員が描いた「熊本・ふるさとの復興、そして発展を」と題した大作を展示させて頂きました。同校及び熊本に関わりのあられる方々をはじめ、全国の多くの方々に御覧頂くことが出来ました。雄大な阿蘇や熊本城が描かれた生徒達の力強い作品に感動し、エネルギーを頂いたとの心暖まるお便りを沢山頂きました。その事を生徒達にもお伝えしました。
 又、地元では、最も多く購読されている新聞にも大きく掲載され、現在も仮設住宅で生活しておられる多くの方々をはじめ、熊本県民に二科会の支援活動が伝わり感謝されています。会員の先生方に心より厚くお礼申し上げます。

                    二科熊本支部支部長 木戸征郎


第102回二科展 被災地生徒作品特別展示|小冊子

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◁詳細は第102回二科展 被災地生徒作品特別展示 小冊子をご覧ください。(左画面、または下の■表示■をクリック)

■表 示■


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画像Clickで拡大表示

NIKA-HISAI_850×210pix.jpg▲第102回二科展 被災地生徒作品
IMG_0733_700×320.jpg▲二科展展示風景
DSCN2865-2870_700-250.jpg▲作品制作風景
並べて7-2_700-300.jpg▲完成作品と一緒に記念撮影

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▶ 帝国ホテル 二科サロン 第102回二科展 受賞者小品展(第三期)

帝国ホテル 二科サロン 第102回二科展 受賞者小品展(第三期) 開催

nika_favicon64.psd帝国ホテル二科サロンにおいて第102回二科展受賞者から選抜された13名による
小品展(第三期)を開催。

・会期=平成30年7月3日(火) 〜 平成30年10月2日(火)
・会場=帝国ホテル インペリアルタワー・ギャラリー(東京都千代田区内幸町1-1-1)[入場無料]
・主催=公益社団法人 二科会

●出品者受賞作家▷大島信人・酒井とし子・青木洋子・牟田志津子・吾田弘子・大槻 薫・日比野恵美
         道上恵美・畑中良二・猪立山三鈴・筒井通子・川島 正・望月 强

▶ 2018 春季 二科展|終了

2018 春季 二科展 開催

会期:2018年4月17日(火)〜24日(火) 9:30〜17:30(入場は17:00まで)
▷初 日:14:00 開場
▷最終日:14:30 終了(入場は14:00まで)
会場:東京都美術館(ロビー階 第3・第4展示室)

■2018 春季 二科展ポスター■